海士にしかない。だから海士。

 わたしたちが思う、非常に個人的な海士のすてきなところです。

1 ちゃんと遠い

 交通の便がよくなって、「秘境」と呼ばれる場所へも飛行機であっという間にたどり着ける今の時代。しかし、海士町へはどう急いでも、最後にはフェリーという、最後の関門が待っています。

 そのゆったりと進む時の間に、日常から心と体が浮かび上がり、切り離され、少しずつ向かう先への気持ちが募っていく。

移動距離と、移動体感時間が一致していて「ちゃんと遠い」。

実はこれ、すごいことだと思うのです。


 2 半農半漁の暮らし

 海に囲まれ、豊かな湧き水があって、魚も米も採れる。どちらの恵みもある島は以外に少ないく、それだけで希少な場所。

 通学路の田で、近所のお家が育てたお米が、今日も給食に。

 日々の食卓に並ぶものは、近くのだれかの手によるもので、いつも島を巡っている。

 食べている、生かされている、を感じずにはいられない。

実はこれ、すごいことだと思うのです。


3 島まるごと台所

 海士町には、「島まるごと図書館」という本好きを魅了する構想があります。

 その実は、食いしん坊を魅了する、「島まるごと台所」であると感じています。

 目の前で採れた魚をその場でさばき、そのアラをカゴに入れておくとまた、魚やタコがかかっている。

 山に入れば、季節の恵みがあり、そのまま食べたり、保存食にしたりと、食べ繋いでいけるのです。

市場も食材庫も調理場も、全部島のそこかしこにある。

 実はこれ、すごいことだと思うのです。